奈良県大阪コロニー
奈良県西部地区は早くから大阪のベッドタウンとして開発が進められてきました。
生駒市から奈良市の西部、平群町、三郷町、そして大和川以南では北葛城郡の4町(王寺町、河合町、上牧町、広陵町)と香芝市にわたって大規模な大阪コロニーが出現しています。
大阪への鉄道インフラは、北から近鉄奈良線、JR大和路線、近鉄大阪線、近鉄南大阪線、そしてそれらをつなぐ単線の支線で構成されています。主なターミナルは近鉄生駒駅、JR王寺駅、近鉄五位堂駅で、そこから大阪市中心部には急行や快速で20~30分で到着します。
道路は第二阪奈道路、西名阪自動車道、南阪奈道路と3本の有料道路で大阪中心部につながれていて、大阪市中心部へは泉州や南河内地区よりも便利で環境がよくって、しかも土地が安いので奈良府民(奈良県に住む大阪・京都府民)がどんどん増えています。
地図に○囲んだ場所が大和川以南の大阪コロニーです。
朝日新聞の記事によると奈良盆地内で生活している人で、大阪府や京都府の会社や学校に通っているいわゆる奈良府民が人口の1/3にのぼるのだということです。
大阪コロニーに住む住人は県民との交流をあまり好みません。食料品や下着等の衣類などの日常生活品は県内のスーパーで買い物をしますが、高額商品となると大阪や京都まで買いにいってしまいます。
古くからある(造成が30~40年前)ニュータウンは高齢化が進み市町村から福祉を受けていますが、消費は大阪、京都でなされるので県の財政はとても厳しいものになっています。
といっても、大阪から奈良に移り住んで驚いたのは駅前の一等地が民家であるというのが象徴的で、貧しいなりの行政をしてきたようで、都会で問題となっている箱物行政をあまりしてこなかったので、理解に苦しむ借金がないのが救いです。
ただし、福祉はきっちりしているので税収が少ない分、各自治体の経済情勢は非常に厳しいものになっています。
問題は大阪コロニーの高額商品をいかに県内で消費してもらうかなのですが、知事がいくら訴えても解決しないと思います。
奈良に住んで10年、地元に興味をもってまだ半年ですが、それらをふまえた奈良県の構造的な問題点について私なりの見解があります。後日、気が向いたら記事にしたいと思います。
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