米ファイザー
日経新聞なんかを読んでるとたまに出てくる社名ですが、日本ではファイザー製薬という表現が分かりやすいですかね !?
近年、M&Aを繰り返して医薬品のマーケットを引っかきまわしていた会社ですが、これまでのように米国の企業間のM&Aだけでなくついに英国の製薬企業との合併に関する報道がなされるようになりました。
アストラゼネカとの合併の噂ですがこれまでのパックマン的な合併話と事情が異なるようです。
ニューヨークはマンハッタン島の中央に位置する米国ファイザー本社です。
世界のファイザーをコントロールするまさに“HEADQARTERS”で、ここを舞台の中心として2000年のワーナーランバートとの合併以降何度もM&Aを繰り返してきました。
ファルマシアと合併までのファイザーを中心とした米国製薬企業の統合の歴史ですが、その後ワイスとの統合を経て現在に至ります。
2000年にワーナーランバートと合併したときのターゲットが「リピトール」でした。
「リピトール」は非常に優れた高コレステロール血症治療剤で世界一売れた薬でしたが、開発時のワーナーランバート内のパーク・デービス事業(後述)だけでは日本市場に浸透させられないと考え、山之内製薬(現・アステラス製薬)と共同販売することにしていました。
ワーナーランバート社は主に4つの事業から成り立つ企業でした。
医薬品のパーク・デービス事業。
シェーバーのシック事業。
観賞魚用品のテトラ事業。
お菓子のアダムズ事業などです。
その他、有名な製品では口腔内洗浄液のリステリン、リカルデントガム、ホールズのドロップなどを販売していました。
ファイザーは世界一売れる高血圧治療薬の「ノルバスク」を持っていたので世界一の高コレステロール治療薬である「リピトール」を手に入れると循環器系薬剤市場では鬼に金棒です。
メタボリック・シンドロームの定義を知っていますか?
ファイザーの鉄壁の循環器領域でのシェアに一石を投じようとしてもがいて起こしたのがノバルティスが起こした不祥事なのです。
さて、完全にワーナーランバート社と合併した後のファイザーは医薬品事業以外を社員ともども売り飛ばしました。同時にこれまで「アネトン」や「バイシン」など自社で行なっていたOTC事業も売却して、当時の経済学の本流であった“集中と選択”を行ないました。
ファルマシアやワイスとの合併は似たような会社だったので上記のようなトピックスはなかったようです。
さて、これまでは優秀な製品が欲しくて敵対的買収までしてきましたが、今回は法人税が絡んでいるようです。
最近、米国企業の本社機能を海外に移し所得税額を軽減させる手段として合併するケースに追随するものだとされています。
難しいことはまた勉強していただきたいのですが英国の法人税率は現行21%で来年は20%に下がる一方、米国は35%。
経済学としてお金(企業)はピンハネ(税金)の少ない場所に移動していくのですね。
大阪維新の会や自民党の安部一派は法人税減税に熱心ですが、共産党が言うような大企業や高額所得者に高い税率を課しその国の福祉だけを考えると、ファイザーの今回の戦略のように賢い人が法律の隙間を見つけ出して節税の方向に進むので過大な社会主義は政策の実現とともに税収の減少と借金の激増が予想されます。
企業は儲けて従業員に還元されて薄く広く十分に納税する、その税で福祉を充実させる…そんな国になればいいのですがね。
ただ、議員や公務員の震災復興のための給与カット廃止の論議が時間切れのために元に戻るように仕向けたずる賢い公僕(官僚)は早く排除しなければなりません。
自分たちの権益を守るだけのために働く公務員を放置していると、理想を言う前にこの国は潰れてしまいます。
« 春ドラマ | トップページ | 一般道で堺まで… »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント